品質工学とは
米国自動車産業に貢献し、米国経済・社会の発展に寄与した人を表彰する制度に米国自動車殿堂があります。
これまでヘンリー・フォード、トーマス・アルバ・エジソン、ルドルフ・ディーゼル、エンツォ・フェラーリ、本田宗一郎などが表彰されています。偉人ばかり表彰されていますね!
さてクイズです。日本では、1989年に本田宗一郎(ホンダ)、1994年に豊田英二(トヨタ)が受賞されていますが、1997年に受賞した3人目は誰でしょう?
答え:田口玄一
田口玄一氏は、品質工学を導入することで、当時の米国自動車工業会を蘇らせた男と言われ、その功績をたたえられて受賞されています。米国では「タグチメソッド」とも呼ばれています。
品質工学とは、効率的な開発を行うために体系化された品質技術論です。品質工学を活用しているか否かでは、技術開発のスピードが違います。今やエンジニアには必須の技術ですね。
ちなみに、品質工学には2つの領域があります。
1.オフライン品質工学研究・開発段階の品質工学とも言われています。目的は開発費用と開発期間の短縮、品質改善です。ツールは、SN比(シグナル・ノイズ比)、直交表です。特性値、信号因子、制御因子、誤差因子を設定し、直交表にわりつけます。基本機能を設定し、SN比で評価するのが、実験計画法と異なる点です。パラメータ設計により、品質とコストの両面から最適な設計定数を選択します。
2.オンライン品質工学製造段階の品質工学とも言われています。目的はコスト削減と品質改善です。ツールは損失関数です。パラメータ設計で製造条件を選択した後、製造条件の許容差を設計します。
現在の品質工学は、パラメータ設計(オフライン品質工学)が中心となっています。
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