標準偏差とは
品質管理で欠かせない基礎知識を紹介しますね。品質改善ではスキルも必要ですから、頑張って習得しましょう! それほど難しい話ではありませんから安心してください。
標準偏差とは、バラツキをあらわす目安です。例えば、製品の長さを測定した結果、40、50、60、70、80cmだったとします。
バラツキを見るために、個々のデータから平均値60を引きます(偏差)。
40-60=-20
50-60=-10
60-60=0
70-60=10
80-60=20
−−−−− 計 0
全体的なバラツキを見たいのですが、このまま加えたのでは、ゼロです。そこで、偏差を2乗します。
(40-60)^2=400
(50-60)^2=100
(60-60)^2=0
(70-60)^2=100
(80-60)^2=400
−−−−− 計 1000
このままでは、データ1個あたりのバラツキがわかりませんから、データ数で割って、平方根を取ります。これを標準偏差といいます。
標準偏差=ルート(1000/5)=14.1
この製品は14.1cmのバラツキがあるということです。
バラツキは標準偏差で表す
例えば、以下の2組のデータがあったとします。
(1)50,50,50,50,100
(2)40,50,60,60,90
この2組の平均値はいずれも60で、最大と最小の差はいずれも50です。しかし、この2組のデータのバラツキは、直感で異なると気づくはずです。
すなわち、バラツキを最大と最小の差としただけでは、真のバラツキを表現できないのです。では、標準偏差を計算してみましょう。
(1) (50-60)^2+(50-60)^2+(50-60)^2+(50-60)^2+(100-60)^2=2000
標準偏差=ルート(2000/5)=20
(2) (40-60)^2+(50-60)^2+(60-60)^2+(60-60)^2+(90-60)^2=1400
標準偏差=ルート(1400/5)=16.7
(1)のデータの方が、バラツキは大きいといえますね。このように、バラツキは標準偏差で表すと、正確なのです。
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