層別とは
品質管理では、データで話しをしようとよく言われます。そのデータが意味をなさないと何も議論が進みません。価値あるデータを発見する手法に層別があります。
層別とはデータを分類することです。例えば、
1.原料で分ける
メーカー別、ロット別、産地別、サイズ別など。
2.機械で分ける
加工方法別、号機別、工程別、新旧機械別、治工具別など。
3.人で分ける
経験別、年齢別、男女別、直別など。
4.時間でわかる
時間別、日別、週別、月別、曜日別など。
層別は
パレート図、ヒストグラム、散布図などと組合わせて使えば、差異を発見する上で大きな力を発揮します(層別はQC7つ道具の1つとして使うべきものではありません)。
層別を上手にすれば、一見複雑にみえる問題でも、よい解決方法が見つかるものですが、悩ましいのは、層別する上で大切なデータが抜けている場合が多いことです。
また、複数の工程を経ていると、変動要因が多くなり、層別する特性も多くなります。するとデータ数が少なくなりますから、データを取るだけでも、多大な労力がかかります。
丁寧に層別するためには、再びデータ取りを行う必要があり、時間がかかるのです。
寄与率の大きな因子であれば、粗い層別でも差異が現れることもありますが、一般的には丁寧な層別行い、細かな改善を積上げていくことになります。
とはいっても、丁寧な層別のために労力をかけて、見合う効果が得られるかもわかりません。
効果を早く出したい場合、その工程のメカニズムから考えて、対策が改善の方向にあるのなら、データを取らずとも、手を打つことも考えられます。
もちろん、対策が改悪にならないように、よく検討する必要があります。