図解の重要性
現場観察は品質改善の重要な視点です。しかし、実際にやってみようとすると難しく、観察したが何も分からないこともあります。何も分からないのは「問題意識がないからだ」なんて言われそうですが、精神論で片付られる問題ではありません。現場観察のやり方について、2人のベテランの品質改善コンサルタントが同じような方法を言われていたので紹介します。
(誤解を恐れずに要点を書きますので、微妙なニュアンスの違いはご容赦の程を)
A先生は「対象設備の絵を細部まで描きなさい。ボルト1本も逃さずに描くのです。」と言われました。さすがにクライアントの専門家でも、何も見ずにそこまでの詳細を描けないので、図面を見ながら、現物と確認します。これが現場観察になります。
次に、例えばボルトが緩んだら、アウトプットはどう変わるのかを一つずつ検討していきます。あるクライアントでは、図面にも載っていないボルトが、生産品に傷をつけていることがわかり、品質問題が解決したそうです。
B先生は「対象設備とそのメカニズムを絵に描きなさい。エンジニアリング的にパラメータを動かして改善するのではなく、まず自然科学的な観察を重視しなさい。」と言われました。
機能を追求したメカニズムになっているかをよくよく検討することで、問題点がわかれば品質は必ず改善すると確信を持っておられました。
ポイント!
現場観察では、対象設備の絵を描いて、その機能やメカニズムを付記することから始めましょう。
もし品質改善を数名のメンバーで検討しているなら、絵を描くことで、情報の共有化が図れますし、新たな視点や発想が出るかもしれません。言葉だけのやり取りは誤解や思い違いを生みますので、絵を描きながら検討することをおすすめします。
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